2009-10-25

近くて遠い


岩手県一戸町にある萬代館(ばんだいかん)と言う映画館だ。
この写真は、改修後に撮ったものだ。
僕の記憶では、もっとどんよりしているイメージだ。
この映画館、改修前はカーボンアーク式映写機が使われていて、それはそれはノスタルジックな映画館だった。
私は子供の頃に、上映中の映写室を覗きに行って怒られたりしてましたが…。

元々、個人所有だったのを町に譲渡し、一戸町の資産になった。
その上で、再生プロジェクトによって改修された。
岩手県一戸町のページ:古い建造物の再生利用プロジェクト

私が子供の頃は、すでにビデオプロジェクターが学校に配備されていた。
学校でも、16ミリ映画で見せるなんて事はなくなっていった。
まあ、16ミリだと講習がいるからなんでしょうけど、テレビで見せるのが普通だったと思う。
(ビデオだと特殊再生できますしね…)
学校教材では、LDがまだ使われていた頃だったし。
見る方も、見せる方も、ビデオプロジェクターとそこそこの音響設備があれば十分に思えていたと思う。

今では大型テレビも、ビデオプロジェクタも安く買うことが出来る。
音響機器もめちゃくちゃ簡単にリスニングポイントを設定出来る。
映像素材もブルーレイがあったり、少なくてもDVDの品質をお手軽に楽しめる。
新作でどうしても見たいと思わなければ、映画館なんて行くこと無いだろうな。
便利さを求めた結果、昔ながらの映画を見ると言う行為は敬遠されることになった。
下手すれば、DVDをパソコンのブラウザの横で小さいウインドウで表示して終わりだったり。

シネコンじゃない映画館は、続々と消えてしまった。
残しただけでも、大した物だ。

さらに、いろんな人たちの手で生かし続けようとしている。
いろんな人が去っても、この映画館はまだある。

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